仕事をする人の情報管理

 みなさんは、この情報が氾濫する社会において、情報とどう接し、どういう方法で収集し、どう活用し、どう保管されていますか?

 

  私は、この情報との関わりかた如何では、仕事の成否はもちろんのこと、今後の発展性まで左右しかねない問題があるのではないかと考え、日々施行錯誤を繰り返している。

 

 最近、『情報は1冊のノートにまとめなさい』(奥野宣之著、NaNaブックス、1,300円)なる本が出た。さっそく一読してみた。その内容は、副題にあるように、「日々接する情報や自分の考えを『100円でつくる万能「情報整理」ノート(A6の市販ノートー背広の内ポケットに入るサイズ)』に、日記風に書き込んでいき、その標題のみをパソコン上のテキストデータとし、検索を可能としておく」というものである。

 

  情報を収集するという段階での手法としては、面白いのではないかと考え、最近A6版のノートを購入し、試行し始めた。

 

  私は、ここ二十数年来、アイデアの創出や備忘のため、コピーの廃棄用紙の裏を利用して、名刺サイズに切り揃え、使用済みテレホンカード(最近少なくなってきたが)何枚かでテーマごとに仕切りを設けたものを輪ゴムで束ねたものを背広のポケットに入れておき、「ひらめいたアイデアや忘れていたこと」などを何時でもメモ(必ず「1枚1事で書く」)できるようにしてきた。この「1枚1事がKJ法のカードになる」という手法である。

 

  今まで多くの論文を書いたり、仕事の企画書を書く時などに役立った。当面は、奥野宣之氏のノートと併用する形で運用したいと考えている。

 

  ところで、「アイデアがひらめきやすい場所には法則があるがある」のをご存じだろうか? それは、ずばり古来から言われる『馬上、枕上、厠上』であることは間違いがないようである。中国宋時代の文化人、欧陽修の『帰田録』にある言葉だそうである。原典は「枕上、厠上、鞍(馬)上」と並んでいるらしい。

 

  「枕上」は寝床にいる時、「厠上」は厠(かわや)つまりトイレにいる時、「鞍上」は馬に乗っている時―現代風に言えば電車や車に乗っている時(ただし、自分が運転している時を除く)。

 

  ひらめく瞬間は「三上」以外にもあること(例えば、顔を洗っている時、髭を剃っている時、歯を磨いている時等)も経験しているが、人によっても違うのかもしれない。『リラックスしている時』という点では共通しているようにも思う。25年程前、「創造性開発」に関する本を読みあさっている時、ある本の中で見つけて以来この「三上の時」を大切にしている。

 

  しかし、この「ひらめき」を形にするのには、ちょっとした工夫が必要である。経験上、ひらめきは瞬間的にやってくることが多く、またすぐ消えてしまうものであり、後から思い出すのは至難のワザとなる場合が多い。「ひらめいたものはすぐメモする」ことがポイントなのである。「枕上」にメモ用紙と鉛筆は置けるが、「鞍(馬)上」ではちょっとした工夫が必要だ。私の場合、「鞍(馬)上」では手軽に持ち歩ける忘備録も兼ねた前述の「特製のメモ」が必要となるわけである。

 

 以上

 

井上俊一 記

 

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