成功事例発表会(津会場)
1.実施概要
日時 : 平成19年11月21日 14:00〜16:30
場所 : 津商工会議所 1Fホール
来場者 : 41名
2.プログラム
講演1 「"経営改善" Doからはじめる活動」
昭和電機株式会社 代表取締役社長 柏木 武久
同 営業推進室 担当グループ長 栗山 隆史
講演2 「"IT導入" システム会社は役立たず・・と心得よ!」
株式会社アドホック 代表取締役社長 藤井 則次
IT経営教科書の紹介 「IT経営のススメ」
ITコーディネータ 井上 俊一
3.講演要旨
(1) 「"経営改善" Doからはじめる活動」 柏木武久、栗山隆史
昭和電機は1959年創業、風力送風機を中心に製造しているメーカーである。 ISO9001、ISO14001を取得しており、IT経営大賞においても最優秀賞を受賞している。
本題はDoからはじめるという表題ではあるが、その理由は、通常、Plan Do Check Actionのサイクルをまわすことは中小企業としてはむずかしいからである。改善によって、実現するまでの、期間を短縮しないと生き残っていけない。当社は「改善」と「営業の支援ツール」という両輪で売り上げを増やしている。現在従業員168名だが、88名が営業担当者であり、創業者の「よい商品を作っても売れなかったらどうするの」という経営方針を踏襲している。
二つのプロジェクトを推進しており、一つ目は「Beeダッシュプロジェクト」である。ベルトコンベア方式から一人一個流し生産方式に変更している。納期4日間でほぼこなしており、納期遅れはほとんどない。標準品、準標準品に関しては、自分で製造し、自分で検査し、自分で梱包するという工程を行うことにより実現している。製品には、個々の製作者の名前がわかるようになっており、責任を持って製造を行うように指導をしている。また、この納期を実現するため「改善」を頻繁に行っている。そのために、重機も社内の人間で運転できるようにし、レイアウト変更も社内で完結できるようにしている。
もう一つとして、「is工房(いろいろ相談工房)」をシステムとして採用している。お客様からの問い合わせに関して、営業担当者は基本的には「is工房」(社内の部署)に連絡する。is工房では、社内スタッフに回答を確認するとともに、Q&Aデータベースに質問と回答を入力する体制をとっている。この作業により、データベースには、Q&A,通達文書、技術連絡、競合情報などが格納されていくことになり、営業担当者がこのデータベースを参照することにより、is工房に問い合わせを行わなくても、回答ができ、お客様にも短時間で回答が行え、顧客満足度が向上する。また、営業部門担当者の知識向上につながる。営業担当者の問い合わせにとられていた時間も短縮でき、新規の訪問先を増やすことにつながった。
当社の製品に対する技術資料のお客様へのお届け時間を1日から10分に短縮している。従来の流れであると、紙ベースであったため、探すのに時間がかかったこと、営業担当者と本部スタッフの連絡だけでも時間がかかったこと等をITによって短縮して顧客満足度を向上している。システム的に技術図書情報をデータベース化したことによって実現している。営業担当者は。技術図書情報データベースを検索することにより、担当者が席を立つことなく机上で図書類をお客様にFAXやメールで送ることを実現している。また、システムのつくりとして、「承認プロセス」を、「承認する権限者」「承認をうける担当者」の二つの区分だけの簡素化をしており、メンテナンスに関して柔軟性を実現している。
ホームページに関しても2種類作成している。「お客さまへのノウハウ提供」(素人向け)と「送風機のことを知っている先向け」(玄人向け)と用途別に作成しており、アクセスを増やすことを実現している。
(2) 「"IT導入" システム会社は役立たず・・と心得よ!」 藤井則次
会社は1982年設立しており、マルチメディア事業を主として行っている会社である。過去25年赤字に陥ったことがない。
IT導入に関しては、業務分野によって導入すべきアプリが変わってきたが、昨今注目になっているのは、「CRM」である。お客さまに感動を与え、ワントゥワンマーケティングを実現するパッケージである。 IT導入に関する奈良県のアンケートをみると、効果において「売り上げの向上」「経費の削減」「利益の拡大」と企業として求めなければならない結果が表れていないことに問題があるとの指摘である。
「どんなシステム会社だったの」という質問に関しても、本来、企業として求めていきたい「業務内容を理解したコンサルティング能力」「開発のレベル」に関して、満足度は低く、ここにも問題があるとの指摘であった。
システム会社からの提案事項として3年間たたないと満足が得られないとの提案が多い。1年目は社員のスキルアップ2年目は社内業務の効率化3年目にやっとパソコンを使っての業務改善となるとの提案である。3年もかかるなら、IT導入をやめ、「もっと仕入」「もっと宣伝」「もっと人を増やす」ことをやったほうが、収益があがるのではないかと考える。
中小企業には身の丈に合ったシステム導入が必要であり、草野球には、イチローはいらないわけで、ベンダーの言葉を信じることも必要ではあるが、なにを効果として求めたいかと明確にして、モニタリングを行い、システム導入の成否を行うべきである。
中小企業のパートナーとしてのベストなシステム会社として「近所でいつでも質問できる個人事業主」が良い。素人に毛の生えた程度のシステム知識でもよいが、若く、近くにいてこれから会社をのばしていこうとする経営者の会社が良い。具体的には、電機屋の2代目、インキュベータセンターの若者が良いのではないか。また、受け側の担当者としては、社長の奥様がベストである。総務ならなお良い。なぜなら、システムには疎いが、事務には精通しており、自分の分野で譲れないものを持っている人材だからである。いっしょに勉強しながら共同でシステムを開発していくことが重要である。距離的にも、近いほうが、システム解決は早いし、運賃を考えても、メンテナンス費用が安価となる。
アドホックの社内システムのひとつとして、「原価管理システム」があり、管理者、製作担当者など、誰でもが件名情報を具体的に知ることができ、適切な利益率や外部スタッフの有効活用、会社への貢献度を意識しながら見積書が作成できる。見積書の雛形には想定されるすべての項目が表示され、自分のいらない部分を削除していくことで、見積もり漏れをなくして、かつ、見積りの基準を統一している。イントラネットで社員の予定が把握でき、社員間でお互いに、行き先や帰社時間を把握でき、「行き先????帰社時間???わかりません。」という対応は行っていない。
営業での査定会議は3ヶ月ごとに行っており、このことにより、目標管理を明確に行え、社員も近くに目標がみえるので、緊張感が持続する。原価管理表から受注状況データにより、入出金シミュレーションを行っており、資金繰りに関して、着実に把握できる。経営者のとって一番問題のある資金繰りが目に見えて把握できる。外部スタッフ管理もシステムで行っており、基本的には、技量と人柄を見た社員の推薦制度であり、社員間で統一された外部スタッフの選択ができる。情報の共有化、経営者の社員の親密化を実現するために、社長ゼミ、社員ゼミをイントラネット上で開催しており、ネットを通じた、意思疎通を行っている。社員教育の一環として行っている。
(3) 「IT経営のススメ」 井上俊一
ITはすさまじい勢いで進歩している。ITの進歩は情報システムの大幅な価格低下をもたらした。誰でもその気になればITを活用して経営を成功させる可能性がある。「IT経営のススメ」や「IT経営教科書」には、そのためのノウハウが詰まっている。IT経営の先進事例を紹介した「IT経営の気づき事例集」もある。これらを活用して、是非ITを経営に活かしてほしい。
ITコーディネータは、情報システム開発に関する知識が少ないITユーザと、経営に関する知識が少ないITベンダーをつないで、効率的な情報化投資をお手伝いしている。三重県では、三重ソフトウェアセンターを中心にして活動しているので、興味のある方はご連絡ください。
事例発表会の様子
昭和電機 柏木社長の講演
アドホック 藤井社長の講演
- by ITC三重
- at 2008年02月26日
